当院での症例実績(詳細) |浜松でインプラントなどの高度歯科治療、コミュニケーションを大切にした治療を行う歯医者「石川歯科」

Cases 当院での症例実績

症例01 自家歯牙移植(39歳・女性)

自家歯牙移植

Before
症例01 自家歯牙移植(39歳・女性) 症例01 自家歯牙移植(39歳・女性)
After
症例01 自家歯牙移植(39歳・女性) 症例01 自家歯牙移植(39歳・女性)
基礎データ 39歳・女性
治療期間 3年1ヵ月(矯正治療を含む)
治療費 移植20万+根管治療5万+精密コンポジットレジン修復6万+矯正80万
主な治療

全顎的な矯正治療、歯の移植、移植歯の根管治療、移植歯の精密コンポジットレジン修復

治療計画 矯正の要望があった39歳の女性。
パノラマX線写真、CT画像をを使用し、現状の患者様の歯の治療方法の相談を行った。

歯の状態としては、「手を尽くせば残せるが、歯根の歯質が少ないため、将来的な歯根破折のリスクがあること」今後、矯正治療で下顎両側第一小臼歯を便宜抜歯するため、自家歯牙移植が可能なことまた、その他治療法のメリット・デメリットを説明したところ、患者様は、自家歯牙移植を希望。

CTでの診断をもとに、左下4から右上1へ歯の移植歯根の歯質の温存のため、04テーパーで根管形成し、MTAにて根管充填。

治療の流れ

STEP1 初診時

39歳女性、歯列不正を主訴に近医矯正歯科を受診された方です。

口腔内所見といたしましては、上下前歯部の叢生と左上1番の変色が確認できます。

矯正については矯正専門医に対応頂きます。

パノラマX線写真です。顎関節は左右対称で、その他、特筆すべき所見は認められません。

 

CT画像です。

頬側および近心側に、大きな内部吸収像が認められます。

 

Step2 治療方針の相談

この段階で、患者様と治療方針の相談を行いました。

歯の状態としては、「手を尽くせば残せるが、歯根の歯質が少ないため、将来的な歯根破折のリスクがあること」

今後、矯正治療で下顎両側第一小臼歯を便宜抜歯するため、自家歯牙移植が可能なこと

また、その他治療法のメリット・デメリットを説明したところ、患者様は、自家歯牙移植を希望されました。

 

自家歯牙移植を選択した際の欠点

・アンキローシスがあげられ、今回の場合は、小臼歯から前歯への移植であること・抜歯窩への移植であることなどの理由から、リスクは低い。

・歯牙形態に関しては、ダイレクトボンディングで対応できると考えました。

*セラミックブリッジという選択肢もありますが、歯質の温存を優先し、ダイレクトボンディングを選択しました。

利点

・(インプラント・セラミックブリッジと比較して)自分の歯だけで治療が完結すること

・(既存歯を温存する場合と比較して)十分な歯根の歯質が獲得できること

・(インプラントと比較して)クラニオフェイシャルグロースの影響を受けないので、インフラオクルージョンの発生を予防できること

・また、歯根膜感覚も温存できます

Step3 CTで移植可能か診査

左下4と比べて、右下4のほうがドナー歯としての状態が良かったので、右下4を選択しました。

CTでの診査です。根尖部の少量の骨削除で、少し深めに位置付けれると診断しました。

また、CTデータをもとにレプリカを作成しました。

Step4 歯の移植(右下4⇨左上1)

CTでの診断をもとに移植を行いました。

左上1を抜歯し、受容床の形成を行っていきます。

抜歯窩の壁に残存する歯根膜の線維芽細胞が、ドナー歯の根表面への速い血管再生を促すことで、アンキローシスのリスクが低くなると報告されています。

したがって、レプリカを試適しながら、抜歯窩に残存する歯根膜を最大限に温存するように、根尖部の最小限の骨削除で受容床を形成しました。

咬合干渉は歯根膜の損傷を引き起こすので、レプリカを少し深めに位置づけれるように調整しました。

受容床の形成が終わったら、歯根膜を温存するようにドナー歯を愛護的に抜歯します。

根形態が先細りであることから比較的ドナー歯の状態は良好であったと考えています。

ドナー歯の抜歯後、歯石のチェックを行い、追加の骨削除はなく、速やかに受容床に収めることが出来ました。

写真撮影も含め、1分以内には受容床に収まってます。

Step5 根管治療

歯根の歯質の温存のため、04テーパーで根管形成し、MTAにて根管充填してあります。

将来的にクラウンにする必要が出てきた際、スムーズに移行できるようにファイバーポストを用いて築造しています。

移植後3ヶ月で、歯根周囲の骨の添加が認められ、生理的動揺も認められています。

Step6 歯冠形態の修復治療(精密コンポジットレジン修復)

矯正終了時の口腔内写真です。

通法通り、ラバーダムを装着しました。

目的は、歯肉を根尖側へ圧排すること・防湿すること・歯肉溝滲出液を排除することです。

まず、隣在歯のコンタクト部の修復を行いました。

コンポジットレジンはクリアフィルマジェスティESフローを用いてます。

また、白帯を再現しています。

その後、左上1(移植歯)の歯冠形態の修正を行っていきます。

診断用ワックスアップより作成したコアを利用し、バックウォールを作製白帯やマメロンを再現しエナメルを築成しました。

歯頸ラインを整えるため、歯肉縁下から、オーバーカントゥアにしています。

この後、別日に、形態修正・研磨を行いました。

Step7 治療後

矯正歯科受診より3年11ヶ月で治療終了し、現在はメインテナンスに移行しています。


考察

レントゲン写真の比較です。

移植前は歯根の歯質が少ないですが移植後は新品の歯根に入れ替わることで、十分な歯根の歯質が獲得できています。

長期的なことを考えれば、移植した価値は十分にあったと考えます。

移植から2年1ヶ月経過しており、現在、生理的動揺は認められます。今後、経過を追っていきたいです。

口腔内写真の比較です。

移植前、移植後と、歯頸ラインが非対称であったのに対し、ダイレクトボンディング後は、歯頸ラインが対称に調整されています。

また歯冠形態はほぼ適正な形態に修正できてます。

精密コンポジットレジン修復を行ったことで、歯牙の切削を最小限に抑えることができました。チッピングなどの不具合があったときも容易に対応できます。

また、セラミッククラウンという次の選択肢を残せたことも大きいかと思います。

インプラント治療におけるリスクや副作用の詳細説明

一般的にインプラント治療には以下のようなリスクがあります。
その有無や程度は、症状や個人差によって異なります。

外科手術
インプラント埋入は侵襲の差こそあれ、いずれも外科手術が必要となります。
口腔や顎骨に関わる外科手術によって以下が生じるリスクがあります。
・神経の圧迫や損傷による麻痺
・血管損傷による多量出血
・術後の腫れと内出血によるあざ
腫れやあざは、多くの場合時間の経過とともに自然にひいていきます。もし痛みがある場合は、鎮痛剤などの処方を行います。
またなるべく低侵襲な治療法を選択することで、負担の少ない治療を行います。
そして神経損傷などのリスクを回避するために、当院ではCT撮影による精密診断で神経や血管の位置をより正確に把握し、治療計画を立てています。
顎骨・歯周組織の影響
患者さまの顎骨や歯周組織の状態によっては、インプラント埋入ができない場合があります。
また埋入した場合でも、治療後の成功率や予後に差が生じます。
もし顎骨や歯周組織が吸収、退縮してしまっている場合は、骨造成や骨移植などの手術を併用します。
しかしながら、骨の質が硬すぎる、あるは軟らかすぎる場合は、埋入後のインプラントが抜け落ちやすいというリスクがあり、これは実際に手術をしてみないと判別しません。骨の質は個人差があり、精密検査ですべてを把握することはできません。
メインテナンス
インプラント自体は虫歯になることはありませんが、支える歯肉は歯磨きなどのケアを怠ると歯周病のように炎症を起こし、やがて顎骨まで溶けてしまいます。これをインプラント周囲炎といい、重度に悪化すると、インプラントが抜け落ちてしまいます。
これを防ぐため、治療中や治療後に毎日ご自宅で正しい口腔ケアを続け、治療完了後も定期的に通院してメインテナンスやクリーニングを受け、良好な状態を維持していただく必要があります。
噛み合わせも日々変化し、治療当時の状態が続くわけではないので、当院では治療後も定期的に噛み合わせのチェックをしています。
生活習慣
歯周組織が健康な状態でないと、適切なインプラント治療を行うことが難しくなります。
喫煙、過度な飲酒、糖尿病は、歯周組織の治癒を遅らせ、インプラントの成功率を低下させます。
したがって当院ではインプラント治療に際して、禁煙・減酒をおすすめしています。

矯正治療におけるリスクや副作用の詳細説明

一般的に矯正治療には以下のようなリスクがあります。
その有無や程度は、症状や個人差によって異なります。

歯痛
装置を調整した直後などに、歯を移動する際に歯痛を感じることがありますが、正常な反応であり、問題ありません。症状によっては鎮痛剤などを処方します。
虫歯・歯周病
矯正装置を付けることで口腔内の清掃がしにくくなり、プラーク(歯垢)が残って、虫歯や歯周病にかかるリスクが高くなります。これを予防するために、当院では矯正治療前にブラッシングなどご自宅での口腔ケア指導を徹底し、矯正治療中の通院時に定期的なクリーニングを行っています。
口内炎
歯に付いた矯正装置が口腔粘膜に当たることで、刺激となり、口内炎などを起こすことがあります。もし痛みがある場合は、塗り薬や装置をカバーするワックスで対処します。多くの場合は、装着して1週間以上経過することで装置に慣れ、自然に解消します。
会話・食事の弊害
矯正装置を付けることで、発音のしにくさや、咀嚼のしにくさを感じることがあります。
しかしほとんどの場合、装置に慣れることで、発音や咀嚼の不自由さが解消されていきます。
また装置に粘着しやすいキャラメルなどの食品や、装置の破損につながる硬い食品は、矯正中は避けた方がよいでしょう。
歯肉退縮・歯根吸収
もともと歯周病を患っている方で、口腔内の清掃が不充分な場合に、矯正中に症状が悪化して歯肉退縮したり、歯牙移動によって歯根吸収を引き起こしたりする可能性があります。そうしたリスクを回避するため当院では、装置を付ける前に歯周病や虫歯治療を行い、落ち着いた状態になってから、矯正治療を開始しています。
抜歯
症例によっては、歯を並べるスペースを確保するために、抜歯が必要となる場合があります。抜歯をしないことで歯が傾くなどのリスクや、治療結果に違いが生じる可能性があります。そのため事前にきちんとご説明をし、患者さまにご納得いただけた場合のみ抜歯を行っています。
後戻り
矯正して移動させた歯には、元の位置に戻ろうとする力が働きます。これを後戻りといいます。後戻りを防いで、歯を正しい位置に定着させるため、装置除去後にリテーナー(保定装置)を装着する必要があります。リテーナーの装着を怠ったり、歯ぎしりや口呼吸など歯並びを悪化させる癖を繰り返したりすることで、大幅に後戻りしてしまいますのでご注意ください。
矯正治療の限界
症例によっては、顎骨を切断する手術が必要になったり、そもそも矯正治療では改善できないケースもあります。また顎口腔機能を悪化させると診断されるケースでは、ご希望に添えないことがあります。

歯周組織・骨造成治療におけるリスクや副作用の詳細説明

一般的に歯周組織・骨造成治療には以下のようなリスクがあります。
その有無や程度は、症状や個人差によって異なります。

歯周病は症状に応じて、歯面清掃、スケーリング、ルートプレーニング、レーザー治療を、重度の場合は、歯肉を切開するフラップ手術(歯肉剥離掻爬術・FOP)や、骨移植、GTR、エムドゲインなどの歯周組織再生手術といった歯周外科治療を行います。
また歯槽骨が少ない場合、骨造成・再生療法を行なうことがあります。

プロービング、歯面清掃、スケーリング
プロービング(歯周病検査)や、専用の器具を使って歯石やプラークを除去する治療に際して、症状や個人の感覚によっては、チクチクとした痛みを感じる場合があります。その場合は麻酔を行います。
またこれらの処置によって少量の出血が起こる場合がありますが、すぐに治まり問題ありません。
ルートプレーニング(SRP)
通常のスケーリングのみでは除去できない、歯周ポケット内の歯根表面の歯石を取り除き、軟化してしまったセメント質などを除去した後、歯根面を磨いて、硬く滑らかに仕上げる治療で、麻酔をして行います。まれに処置後に知覚過敏などを生じる場合がありますが、歯根膜が再生することで改善します。
レーザー治療
レーザーで歯周ポケット内の細菌を殺菌させる治療法がありますが、適応できる症状が限られるうえ、臨床データが少ないとの理由から有用性がまだ確立されていない治療とされています。
レーザー治療は多くの場合、ほかの治療法と併用して行われます。
歯周外科治療
重度の場合は、歯肉を切開・剥離・縫合するフラップ手術(歯肉剥離掻爬術・FOP)などの外科処置を行います。
歯根を露出させてスケーリングやルートプレーニングを行うため、歯根面の歯石をしっかりと除去できる反面、まれに治療後に歯肉が下がって、歯が長く見えるなどの場合があります。
切開手術であるため、患部が治癒するまで腫れや痛みがともない、手術直後は食事がある程度制限されます。術後は処方された鎮痛剤や口腔洗浄剤などを適宜使用いただき、治癒を促進します。
骨造成・再生療法
歯槽骨や歯周組織が吸収されて少なくなっている場合、骨移植、GTR、エムドゲインなどの歯周組織再生手術といった歯周外科治療を行います。多くの場合、歯肉の切開・剥離・縫合が必要であるほか、使用する薬剤が体質に合わないなどのリスクがあるため、持病やアレルギーのある方は必ずお申し出ください。
生活習慣
喫煙、飲酒は歯周組織の治癒を悪くさせるほか、睡眠不足や過労も歯周組織炎症の原因となります。
また指導された通りに毎日ブラッシングを続け、定期的に通院してチェックやケアを受けないと、すぐに歯周病が再発してしまいます。
そのため、上記の注意事項を守れない方は、治療そのものが難しいうえ、もし治療しても予定通りの結果が得られませんので、ご理解とご協力をお願いします。
ほかの治療との併用
歯周病を患う方が、インプラント治療、歯列矯正、ホワイトニング、審美治療などほかの治療を希望される場合、先に歯周病を治療しておく必要があります。歯周組織の治癒期間を設けるなど、段階を分けて治療を進めますので、ある程度の治療期間を要することをご了承ください。

審美治療におけるリスクや副作用の詳細説明

一般的に審美治療には以下のようなリスクがあります。
その有無や程度は、症状や個人差によって異なります。

審美補綴治療
詰め物・被せ物などの人工歯で歯を補う治療を、補綴(ほてつ)治療とよびます。
  • メタルボンドや前装冠など、見た目は白くても金属を含む補綴物は、金属アレルギーの原因となる可能性があります。金属アレルギーの方は、補綴物の素材を選ぶ際にご注意ください。
  • 選択する補綴物の素材や治療法によって、歯を削る量が異なる場合があります。治療前に医師にご確認ください。
  • ラミネートべニアやブリッジなどで治療する場合、健康な歯をわずかに削る必要があります。最小限にとどめるよう配慮しますが、ご了承ください。
  • 一般的に審美補綴で用いるセラミックやジルコニアなどの素材は、保険適用外となり、その種類に応じて治療費が異なります。それぞれの耐久性の違いや、メリット・デメリットを確認したうえで、お選びください。
  • 見た目が向上する治療であっても、噛み合わせや歯の強度・耐久性などに悪影響があると判断される場合は、ご希望の補綴物や治療法にお応えいたしかねますので、ご了承ください。
ホワイトニング
歯の黄ばみを分解し、白くするための処置をホワイトニングといいます。
  • もともと歯に亀裂がある方や、象牙質が露出している方、虫歯のある方は、ホワイトニング剤により知覚過敏が生じる場合があります。
    知覚過敏のリスクが高い場合は、ホワイトニング薬剤をより低濃度のものに変更したり、照射時間を短縮したりするなど、調整を行います。
  • オフィスホワイトニングはホームホワイトニングに比べ、薬剤の濃度が高いため、唇や歯肉などの組織に付着しないようマスキングを施したうえで処置を行います。
  • ホワイトニング剤を塗布する際に、ピリッとした痛みを感じる場合があります。
    これは一時的に歯の表面のエナメル質が脱灰するために起こる反応で、問題ありません。
  • ホワイトニング後に一時的に知覚過敏の状態になっても、時間の経過とともにエナメル質が再石化して改善していきます。
  • 虫歯や歯周病の方は、ホワイトニング前に、治療を済ませておく必要があります。
    また、歯石や茶渋などの汚れも、先にスケーリングやクリーニングで除去しておきます。
  • 以下に該当する方は悪影響のリスクがあるため、原則ホワイトニング治療をお控えください。
    ・無カタラーゼ症の方
    ・光過敏症の方
    ・妊娠中・授乳中の方
    ・14歳以下の方
    ・虫歯、歯周病の治療が完了していない方
    ・知覚過敏、歯に亀裂のある方
    ・取り外しできない矯正装置を付けている方
  • 歯の色には生まれつき個人差があり、ホワイトニングでは白くならない場合があります。ご了承ください。

・掲載されている症例はすべて、当院で治療を完了し、サイト掲載の許可をいただいた患者さまのものです。
・症例写真はトリミング(切り抜き)などを除き、画像の加工等は行っていません。
・治療はすべて各患者さま固有の症例に対応したものであり、ほかの方への治療結果を保証するものではありません。

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